罪線〜an imitation〜

……あの女だった。

せっかく俺が気を遣って離れてやったのに、わざわざ向こうから近付いてきやがった。


……一体何を考えているんだか……申し訳なさそうに


「あのぉ……」


なんて言葉の後に、こう続けたんだ。


「ヤラせろって言いましたよね?」


この女は本物のアホだ。

正直に、そう思ったね。

が、それ以上に強い興味が湧いたのも、また正直な気持ちだった。

ヤル、ヤラないの問題では、


「いらねーいらねー」


と言いながら、この女に別の事を求め始めた。


「30分だけ付き合え」