「これは……」
床、壁、天井。全てが黒い布で覆われていて、それが玄関ののあるフロアから、リビングまでずっと続いている。
「勘違いしないでね。僕は悪魔教崇拝者でもなければ、ゴシックが好きな訳でもない。ただ……」
「……ただ?」
「裁判官が着るアレ、好きなんだよね……何色にも染まらないってやつさ。僕は僕。他人が作ったルールやマナーに染まりたくない」
その話を聞いた俺は、平岡らしいと思い、思わず笑みが零れる。
「でもね、僕はマガママなんだ。アレを見て」
そう言った平岡の指す方向を見ると、それとは対極的に、白い布が見えた。
床、壁、天井。全てが黒い布で覆われていて、それが玄関ののあるフロアから、リビングまでずっと続いている。
「勘違いしないでね。僕は悪魔教崇拝者でもなければ、ゴシックが好きな訳でもない。ただ……」
「……ただ?」
「裁判官が着るアレ、好きなんだよね……何色にも染まらないってやつさ。僕は僕。他人が作ったルールやマナーに染まりたくない」
その話を聞いた俺は、平岡らしいと思い、思わず笑みが零れる。
「でもね、僕はマガママなんだ。アレを見て」
そう言った平岡の指す方向を見ると、それとは対極的に、白い布が見えた。


