平岡の目的地に向かうであろう、この長い一本道。

時間が経過するに連れて、一人……また一人と、怪しげな人間を目にする様になってくる。

一人……また一人……。


「平岡さん、この人達って……」


「ふふ……誰だろうね?」


また、笑ってる。

やはり奴らは、完全に平岡と無関係というわけではないようだ。

平岡が


「お疲れ様だねぇ」


なんて言うと、あからさまに不機嫌そうな顔を浮かべ、平岡を睨みつける。

この男が俺の思う様な人間であれば……

先程から見える人間は仲間……若しくは、張り込みをしてる警察だろう。

前者ならばまだ、ただの悪人として理解できる。

もしそれが後者……警察だとしたら、その標的はこの男であり、またその中を堂々と歩き抜ける事が出来るという事は……



「ケンジくん。聞きたい事は山ほどあるだろ?答えてあげよう。僕は悪い人間だ。それもただの悪人じゃない、大悪人だ」