物語られない私の物語




私の反応が気になるのか、吉澤くんは、顔を覗いてくる。

それで私の目を見て、また、簡単に人の気持ちを読んでしまう。



「もしかして、不安?」



それは、そうだ。
今までまともに話したこともないのに、急に告白されて。
不安に決まってる。


それに・・・



「私のこと好きなんて、吉澤くん、ほんと変だよ・・・」


「なんで?」



私の目を見る彼の顔は真剣そのもので、疑う余地もないことくらい、私だって、分かるけど・・・



「だって私、本当に最悪なんだよ・・・?すぐ泣くし、性格も顔も、漫画のヒロインみたいに可愛くないし・・・」


「うん」


「初恋だって、こんな残念な感じで終わったし、自分の気持ちにも気付かないくらい鈍感だし、ネガティブだし、ひねくれてるし・・・それに・・・それに・・・」


「うん、じゃあ、これからそれ全部、僕に見せてよ」



吉澤くんは、また笑う。


彼の笑顔は不思議なんだ。


不思議と、このままの私でいいのかもって、安心できるんだ。