物語られない私の物語





「皐、」



私の名前を呼ぶ声に、さっきまでの穏やかさはまるでない。

震えて、霞んで、ぼやけている。



「なに・・・?」



私は、瑞季が私のことを振る、その瞬間までのカウントダウンを脳内で始めた。


私が、終わる瞬間まで、五秒前



五、


「お、」


四、


「俺も、」


三、


「少し前まで、」


二、


「皐のことが、」


一、


「好きだったよ」