みんなは修学旅行で東京へ行ってくるらしい。クラスの女子から手紙が来たが、私は修学旅行にも行かなかった。
修学旅行だからというのを口実に、手紙を送ってきた女子に腹が立った。
「こんな時だけいいことを言う。どうせ、教師に言われたんだろ」
リーダー気質の女子が書いた手紙には、教師に言われて書いたとは書いていないが、事務的に思えた。
そろそろ帰ってくる時間に車が入ってくる。
誰だ？
「こんにちはー」
聞き覚えのある声が、玄関から聞こえた。
「はい？」
「どうも、えっと……真夏と言います。幸子ちゃんにこれ、渡してくれませんか？」
すると、その子のお母さんらしき声も聞こえてくる。
え？
私は、びっくりしていた。