僕は本来使う予定ではなかったはずの刀を出していた。
それは彼女のオーラが変わったから。
「使わないんじゃ、なかったんですか?」
こんどは彼女がバカにしたように聞いてきた。
「うるさいよ。」
一言そう言った。
本当は使いたくない。
この刀は強すぎるから。
「行きます。」
彼女がそう言った。
返事はしなかった。
五匹の蛇が動き出した。
ゆっくりと。
僕は深呼吸をして目を閉じる。
どうするべきか。
『シャァァ』
蛇鳴く。
この蛇は多分毒蛇。
それに、普通に刀で斬ってもきっと、斬れないと思う。
それらを考えたところ、滅するしかない。
跡形もなく。
それをするには刀を抜く必要がある。
「はぁぁ、」
盛大なため息をつく。
そして刀を構える。
そういえば、この刀は黒鬼を封印するときに使ったものらしい。
その由来かは知らないがこの刀は
〝黒鬼の錠(こくきのじょう)〟
と、呼ばれている。
そして、だんだん近くなる蛇を眺めた。
いつ出るべきか。
少なくとも今じゃない。
待つ。
もうすぐ来るはずだ。
飛びかかって来るはずだ。
予想通り。
蛇は来た。
それも五匹同時。
だが、問題ない。
あと、十匹増えても問題ない。
何故か。
それは、遅いから。
そして僕は蛇共に斬りかかる。

