桜は眉を寄せ、頭の中でこの状況を切り抜ける方法を必死に考える。隊士たちは何を言っても恐らく冷静に対処する事は今の状態では無理だ。
どうするべきかと、桜が一瞬の間目を閉じ開くとそこは…
「…え?」
病院の屋上だ。屋上から下を見下ろせば道路上を車が走り、携帯を触りながら歩く人々。
「…うそ、もどって…「…桜っ!」」
一瞬で混乱状態に陥った桜が名前を呼ばれるがままに後ろを振り返ればそこは油小路の事件の最中に戻っていた。
そして、桜は襲いかかってきた隊士に反応が遅れ固まってしまう。このまま斬られるのかと覚悟を決めると、桜の前を影が横切りそのまま道の上に倒れ込む。桜を庇ったその影は藤堂だ。
「グハッ…。」
「平助!」
そして、藤堂に慌てて駆け寄ると今だとばかりに一斉に襲いかかってきた隊士たちに桜が一喝入れる。
「お前達!いい加減にしないか!!確かに副長はお前達の前で言い放ったはずだ!八番組組長、藤堂平助は我々新選組隊士の一員だ!」
