この運命を奇跡と呼ぶならば。


口を塞がれたままの沖田は息が出来ずに顔を真っ赤にしている。

「あ、わりぃ。」

「フゥッ…ハァ、ハァ。」

ようやく解放された沖田はキッと土方を睨んだ。

「な、にするんで、すか…。」

「悪かった。…それより、早く着るのか着ねぇのか。」

「着な「着るってよ。」」

桜の返事に被せるように永倉は言って部屋へねじ込んだ。

「早くしろよ。」

中に入れられた桜は着物を広げひとつ溜め息をつくと袴を脱いで着物を着始めた。

「…女の子の格好するの久しぶり。」

「桜ー、まだか?」

「開けたら殺すわよ。」

外から聞こえてくる質問に物騒な返事をすると着付けを急いだ。


そして、3分ほどするとそっと襖が開いた。

「お、出来たか。」

「え、えぇ。」

そこにいた男たちは振り返ると絶句した。


「…ねぇ。何よ。」

「いや、別に。早く行ってこいよ。」

薄紫をベースに水色の蓮華が描かれた着物をまとった桜はとても儚げで頭にはこの前に沖田から貰った簪をつけていつもとは違う桜を見た男たちは言葉も出ないようだった。