この運命を奇跡と呼ぶならば。


何故か少し気まずげに言った桜を藤堂は無邪気に手招きした。

「こっちこっち!」

「ありがと」


藤堂は自分の隣を叩くので大人しくそれに従って座った。


「桜、総司はまた放って来たのか?」

「えぇ、なかなか起きないのよ。」

原田の問いに苦い笑みで桜は答えた。すると藤堂がいきなり立ち上がり言った。

「だから言ったじゃん。『嫌いになるよ』って言うんだぜ!」


「だから言ったでしょ。『絶対起きない』ってね。」


藤堂の言葉を真似た桜はそのまま続けて言った。


「絶対金平糖あげるって言ったほうが起きると思うわよ。」


「あ〜、そうだよな。あいつ甘味好きだし、何より金平糖は好物だしな。」

「でしょう?」

原田はとても納得した様子だったが、藤堂はどこか少し不服そうだ。


「桜も佐之さんも否定ばっかしなくても、少しくらい可能性考えてくれたっていいんじゃない?」


その藤堂の言葉にハッとして桜は慌てて取り繕うように言った。


「そ、そうね。ごめんなさい、平助。今度試してみるわ。その時、起きなかったら起こすの手伝ってくれる?」


「…もう、いいよ。」