山南の返事を聞くとまた中庭に顔を向けた。
「私は、どうしたらいいんでしょうね。これから、死ぬ人が私にはわかっている。助けたい、助けさせて欲しい。でも、ね。歴史を歪めることを恐れてる。…山南さんの言う通り今更なんですけどね。」
「そしたら、迷わず自分の心に従いなさい。」
桜はハッとして隣の山南を見ると穏やかに微笑んでいた。
「乙宮君、君はどうしたい?」
「私、なら…私は、今の仲間を…助けたい。」
「なら、その心に従いなさい。」
きっぱりと言いのけた桜に妹を見るような視線を向けて微笑んだ。
「ありがとう、山南さん。」
「いえいえ、いつでも力添えしますよ。」
山南はさあ、と言って立ち上がると続けて言った。
「いつまでもここに居ては風邪をひきます。中に入りましょう。」
「はい。」
立ち上がって手を差し延べてきた山南の手を取ると二人はそれぞれの部屋へ戻って行った。
