この運命を奇跡と呼ぶならば。


「あ…ごめん。」

「あ、いや。別にいいけどよ。」

その事に気づいた桜はそーっと身を引き座り直した。

「それで、伊東はどうして…」

「あぁ、この前伊東さんが局長室まで来たんだけどよ、山南さんを見たっつうんだ。」

「勿論、否定はしたのよね。」

「当たり前だ。だが、な…」

土方の言わんことが自ずとわかり、言葉の先を桜が続ける。

「近藤さんね…」

「あぁ、あの人は嘘が下手だから、あっさりバレちまってよ。」

土方と桜の表情が次第に沈んでゆく。そして、二人のため息が重なった。

「素直過ぎるのよね…」

「それで、それを理由に新選組を離脱したいと言いだしやがった。」

「土方。しばらく阻止出来るかしら。あいつは新しい組織を作るつもりよ。」

「それは俺も聞いた。そのうち幹部にも声がかかるだろうな…。」