この運命を奇跡と呼ぶならば。


「失礼します、副長。桜を連れてきました。」

「入れ。」

副長室に着いた桜と斎藤は部屋へ入ると土方の前へ腰掛けた。

「土方、なに?わざわざ呼び出しなんて…」


「伊東さんのことだ。お前、伊東さんに何か言われたか?」

伊東の名を持ち出すと桜の表情が険しくなった。

「…貴方方、何か隠してることはないか。」

「っ…やはりか。あの人は、お前の正体に気付いたらしい。」

「そう…」

土方がそう言うと前々から気付かれていることは薄々感じていたのでさして驚きはしなかった。

「それともう一つ。山南さんのことも…」

「嘘でしょう?!なぜ…」

だが、続けられたその事には驚き、土方の方へと前のめりになっている。

「落ち着け…。副長が困っている。」