この運命を奇跡と呼ぶならば。


沖田の言葉に桜はまたも、軽く受け流すとスタスタ歩き出した。

「総司。お願い、しばらくこの話題には触れないでいて欲しいの。」

「どうし…うん、わかったよ。」

桜のいきなりのお願いに戸惑い、理由を聞きかけたが真剣な様子に頷いた。


「ありがとね。…さ、部屋に戻りましょう。ずっと外にいたから寒いわ。」

「じゃあ、こうしよう。」

「え?」

そう言った沖田は一方的に握られていた手をぎゅっと握り返した。


「温かいでしょ?」

「うん、あったかい。」

桜は手だけではなく、心まで暖かくなってくる様だった。そしてお互い、顔を見合わせて笑みをこぼした。



──────この先に起こる悲劇を忘れたように。