この運命を奇跡と呼ぶならば。



「どうしたのかな。」

「…何があったのかしら。…総司、部屋に戻りましょう。」

「桜ちゃん、何かあった?」

「いいえ…別に。」

顔を伏せて沈痛な面持ちになった桜の顔を覗き込んだ。

「総司、部屋に戻りましょう。」

桜はもう一度、今度は少し言葉を強めに言うと沖田の手を取って歩き始めた。

「…桜ちゃん。」

「どうしたの?」

「溜め込み過ぎないで、なんでもいいから話してね。〝仲間〟なんだからさ。」

仲間、と言う言葉にハッとして桜が後ろを振り向くと穏やかに微笑む沖田がいた。


「…そうね、総司。」

桜も沖田へ微笑みを返した。

「あ、そういえば。」

「どうしたの?」

「伊東さんが出て行ったって事は平助もいるって事だよね。近藤さんの部屋で話さないといけないことって…」