この運命を奇跡と呼ぶならば。



お互いの距離は数センチ、顔が目の前にありそれぞれの吐息が顔にかかる。

「少し熱いわね…部屋に戻って火鉢を焚きましょうか。」


「だっ大丈夫…」

「大丈夫じゃないわ、行くわよ。最初が肝心なの…それに、総司は…」

「桜ちゃん…」

桜は目を伏せ憂いを帯びるような表情になったが、もう一度、行くよ、っと沖田の手を取った。

「っ…全く、心臓に悪いよ…」


「何か言った?」

「いや、なんでもないよ。」


沖田はハァっとため息をつき桜に手をひかれるがまま部屋への道のりを歩いていた。するといきなり、沖田が痛っ、と声をあげた。

「桜ちゃん…いきなり止まらないでよ。」

理由は簡単だ、桜が突然歩くのをやめて、沖田は桜にぶつかったからだ。そして、桜はある一角を見つめて呟いた。


「…あれって…」


「ん?近藤さんの部屋…?あ、伊東さん。」

桜と沖田が見たのは近藤の部屋から出てくる伊東だった。