この運命を奇跡と呼ぶならば。



「土方、総司はどれくらいで帰って来る?」

不意に笑顔を引っ込めると桜は真剣な顔つきで土方に尋ねた。


「さぁな…だが、今日中には帰って来るだろうよ。昨日のウチに見つかんなきゃ帰って来るよう言ってあるからよ。ま、心配すんじゃねぇ。なんとかしてやるから。」

「…なんとかって、山南さんの…事?」

「あぁ。伊東さんにはまだ言ってねぇ。どうにか、誤魔化したから…」


「ホント?!」

桜はそう言うと、何かを考え始めた。


「桜…?」


土方が恐る恐る声を掛けるも気付かない様子で、ひたすら何かを考えている。

「…うだ。」

「なんだ?」

「そうだよ!こんな簡単な事だったんだよ!!」

土方は桜がいきなり大きな声を出したがために、驚きで目を見張っている。顔を上げた桜は、瞳を妖しげに煌めかせた。

「…土方、私。いいこと思いついたよ。」