この運命を奇跡と呼ぶならば。


「それで、桜君は僕に何か用があったんじゃないの?」


「…あ。えっと、総司、さっき怒ってたのか?」


「え、あ、そそれは…なんでもいいんじゃない。」


沖田は顔を赤くしたかと思うとクルッと桜に背を向けて駆けていってしまった。


「総司、待ってよ!」


「なんでもいいでしょ。」


「何も言ってないだろ?」


「そうだけど…」


沖田は何も言おうとしないので、桜も問い詰める事を諦め沖田の隣に並んで部屋に入った。

そして、沖田が桜にふと思ったのであろう疑問をぶつけて来た。

「ねぇ、桜ちゃん。さっきブツブツ言ってたのはどうしたの?」

「あぁ。総司を探してた時にね、新隊士だと思うけど女みたいな喋り方をするから気持ち悪くて…」

「へぇ。それで、どうして喋りかけられたの?」

「近藤さんの部屋を知ってるか、だってさ。だから知らないって答えてさよならするつもりだったのに、次は土方の部屋を聞いてきて、もうめんどくさかったから、案内してさよならしてきたよ。」