この運命を奇跡と呼ぶならば。



最後の方は、だんだんと尻すぼみになって行ったが、藤堂には届いた様で返事は笑いを含んだものだった。



「なんだ。その事か、どう致しまして。」



(そろそろ…かな?)


「「平助、ほう」総司、平助。何故、寝ていない?」



「うおっ!!!斎藤かぁ。吃驚(びっくり)するじゃねぇか。いきなり声を掛けんなよ。」



「俺は先程からここにいた。気づいていないお前が悪い。」




桜が話を切り出そうとするといきなり、斎藤が声を発したが沖田が桜に続きを促した。


「一君、桜君が何か言いかけてるんだから…それで、桜君は何を言いたかったの?」



「あ、いや…」


「ほら、何?」


少し苛立ちが混ざった沖田の声に覚悟を決めた桜は口を開いた。


「平助、包帯を解いて、私に怪我を見せろ。」


「は?何言って…」


「いいから、取れ。」


威圧感を漂わせ始めた桜を見て、藤堂は大人しく従った。




「桜君、何するつもり?」


「そうだ。平助の怪我を治せる訳でもないだろ?」


そんな、沖田や原田の疑問には答えず包帯を解き終わった藤堂の傷を見て端整な顔を歪めながら手をかざし、何か呟き始めた。