「違う! ただ愛されてるって思いたかった。」



自分のくだらない気持ちだ。ただ愛されてるって思い込みたかった。



「そんなの! そんなの許されると思ってるの。」



「わかってるよ、許されないことも、全部。」



「それならなんで!」



りぃは怒りというより、悲しそうだった。



それに気が付けなかった自分に怒っている、どうしようもない私への悲しさと



だけど、ただ好きだった。



「親にはなんて言われたの。」



「許してくれるはずなんてないでしょう。西園寺家の名に泥を塗るつもりなのって怒られた。」