それから翔真は毎日お見舞いにいてくれた



入院生活も面白い先生と優しい看護師さんと翔真のお陰でそこそこ楽しかった





そんなある日、普段はニコニコしてる先生が暗い顔でやって来た



そのときの私はふと恐怖を感じた



「恋華さん…話があります」



静かに切り出した主治医は私の方を見てくれなかった



「なんですか?」



あえて明るく話した



「…恋華さんの体は…末期のガンに犯されています」



『末期のガン』



頭が真っ白になってしまった



「…私…死ぬってことですか?」



「…2ヶ月生きれればいい方です」



個室に先生の声だけが響いた



「…先生…ちょっと一人にして…あと…翔真が来たら今日は会えないって言っといて…」



そう言うと先生は静かに病室から出ていった