俺は、手紙と婚姻届を手にして駆け出した
着いたのは恋華が入院していた病院
そこで、恋華の主治医を探した
幸いすぐに見つけることができた
「先生…ちょっといいか?」
先生は何も言わずに俺についてきてくれた
中庭に出ると俺は先生の方を振り返った
「先生は…恋華と付き合ってたんだよね?」
先生は静かに首を降った
「えっ?
だって…あのとき…」
「恋華さんは、あなたに嫌われようとした
…自分が死んだあと翔真さんにちゃんと前に進んでほしかったから
それから…病気のことを言わなかったのは優しい翔真さんはきっとすぐにでも婚姻届をだしにいこうと言いそうだったからです」
「…それの何がいけないんだ?」
「恋華さんは、翔真さんにバツイチという肩書きを残したくなかったんです」
バツイチ…
「じゃあ…この鶴の意味は?」
「それは…恋華さんは翔真さんの最後の試合にと千羽鶴を作ってたらしいです
最後の1羽ですよ」
俺の目が涙が溢れた
俺は…ずっと恋華の幸せのために俺が身を引いたのだと自己簡潔してた
でも違った…
俺は…カッコ悪い
恋華に辛い思いをさせてまで…こんなことを…
最後まで俺に甘えずに…

