「…俺…そんなに顔に出てる?」


「バッチリ出てる」


「…ふぅ~…恋華さんには敵わないなぁ」


観念したかのように先生はそばにあった椅子に座った


そして、カルテを開いて静かにこう言った


「もう…明日が来るかどうかも怪しい」





今までなら涙が流れるのに今日は流れなかった


むしろ…心のどこかでやっと解放されるのだと嬉しく思っている


「そっか…」


「うん…恋華さん、最後にやり残したことある?」


やり残したこと??


翔真と結婚したかった…


翔真に大丈夫だって頭を撫でてほしい


翔真に好きだと伝えたい


翔真を幸せにしたい


翔真を______


私のやり残したことはすべて翔真が関わっていた…