ガラガラガラ―――
「…危ないっ!」
崩れ落ちてきた壁からユリアを庇って、グレンは彼女と共に床を転がった。
廊下の大部分は最早瓦礫で埋め尽くされていた。
「……よかった…、ご無事ですね…?」
「グレンっ…!お前は…っ!?」
「…俺もだいじょうぶですよ……」
「……、よかった…」
座り込んだままふたりは見つめ合う。
「…これ以上、行けないようですね」
あてもなく城を歩いていたけれど、瓦礫の山に阻まれもう行き場はなくなってしまった。
薄い煙が視界を霞め始めた。
火が広がっているようだ。
息がだんだん苦しくなってきて、頭がぼうっとする。
もう残された時間は極僅か。
崩れ落ちるのはきっと一瞬だろう。
気づけば、ユリアの口から無意識に言葉が零れていた。
「…みな、逃げられただろうか?」
ああ、でももう知る術はない。
祈るように呟いたユリアに優しい笑顔を向けて、グレンが頷く。
「ええユリアさま…、きっと……」
根拠のない慰めも、彼が言うのならばほんとにだいじょうぶな気がしてくるのだから不思議だ。
「…危ないっ!」
崩れ落ちてきた壁からユリアを庇って、グレンは彼女と共に床を転がった。
廊下の大部分は最早瓦礫で埋め尽くされていた。
「……よかった…、ご無事ですね…?」
「グレンっ…!お前は…っ!?」
「…俺もだいじょうぶですよ……」
「……、よかった…」
座り込んだままふたりは見つめ合う。
「…これ以上、行けないようですね」
あてもなく城を歩いていたけれど、瓦礫の山に阻まれもう行き場はなくなってしまった。
薄い煙が視界を霞め始めた。
火が広がっているようだ。
息がだんだん苦しくなってきて、頭がぼうっとする。
もう残された時間は極僅か。
崩れ落ちるのはきっと一瞬だろう。
気づけば、ユリアの口から無意識に言葉が零れていた。
「…みな、逃げられただろうか?」
ああ、でももう知る術はない。
祈るように呟いたユリアに優しい笑顔を向けて、グレンが頷く。
「ええユリアさま…、きっと……」
根拠のない慰めも、彼が言うのならばほんとにだいじょうぶな気がしてくるのだから不思議だ。