ここでひとりで死ぬことなど怖くはない。

恐れはしない。

だからどうか…彼に生き延びてほしい。

たったひとり、誰よりも大切なひとに———


それは王族のさだめを背負う彼女が自分自身のために願った唯一のこと。


ついに誰に知られることもなかった恋心。

けれどそれでいいと、ユリアは思った。

もうすぐ終わりがやってくるのだから―――