「大丈夫?」

頬を伝う涙を拓海くんはそっと指先で拭ってくれた。。

私は頷く。

何故だか、わからない。

物凄く切なくて辛くて。

幸せなのに、その反面にあるこの悲しさは一体どこから溢れてくるんだろう。



「拓海くん」

私はその首にそっと腕を回した。

「大好きだよ…」

拓海くんは微笑んで

「僕も、大好きだよ」

そう言って私の髪の毛を撫でる拓海くん。

キラキラした目が私を見つめる。

このまま、ずっとこうしていたいのに。



1階から、私達を呼ぶ声が聞こえる。

「今、行くよ〜!!」

拓海くんが舌打ち紛れにそう叫んだ。