手摺脇の一番端っこの席に座って、流れる景色を見ながら何を食べようかな~とか、その後二人でブラついて、ビデオでも借りて家でまったりがベストかな…………なんて思いを馳せてる時だった。





「………じゃね?ライトも一緒に………」







車両内の会話から『ライト』のキーワードに耳が反応する。見ると、ドアの前にライトと同じT大附属高の制服を着た男女五人がワイワイおしゃべりをしているのが目に付く。 ライトのように制服を着崩してる男の子三人と、可愛らしい女の子二人。


なんか…………なんかさぁ。このグループの中にライトが居ても違和感ない。当たり前だけど。なんていうか……制服効果?若さ?私とは別人種。私なんかと歩いてたらミスマッチじゃない?ライトとのデート早まったかな………。





「そういえばライトってば相当溜まってるらしいぜ…………がさぁ」






えっ?何が!?溜まるってなに………
気になって聞き耳を立てるけど雑音が邪魔して所々聞き取れない。






「マジ?最近全然やってないっていってたもんなぁ……………しょうがないか」





やってないっていって言ったら………あれでしょ?あれしかないでしょ。そんの友達に話してたの!?






「いよいよ溜まったら遊ぶからいいんだって…………が得だよなぁ」

「いいな~。私も遊びたい♪」
「最近ライト付き合い悪いんだもん」








私の頭の中でいろんな事がグルグル回った。やってない+溜まる+遊ぶ=浮気!?






…………酷い。酷いよ。私だけ空回りしてたの?好きなのは私だけでライトは遊びだった?

そうだよね。あんなに格好いいんだもん。私みたいなおばさん、本気で相手にする訳ないんだ……………。





余りにショックで涙が浮かんでくる。ある意味前彼の二股よりショックは大きい。それだけライトの事本気だったんだ――――――