「うーん、小花もそろそろ覚醒してもおかしく無いハズなんだけどね…17才になったし」


ママが夜空に浮かぶ月を見て呟いた
そこにあるお月様は、ほっそりと痩せている

吸血鬼は、17才の誕生日前後の新月の日に覚醒する可能性の高い


「ママ…覚醒って痛い?」

「ん?珪くんがいれば大丈夫よ。むしろ、珪くんの方が痛いと思うわよ?小花が噛みつくんだし?」


あ、そうか…
覚醒するには血が必要なんだった

ちらりと珪くんを見る
すると、それに気付いた珪くんは鼻で笑う


「小花に泣かされる程、俺、弱くねぇーし」

「う、うん。そーだね」


そう言うって分かってた

たぶん、珪くんは痛くても言わない
怖くても言わない

私が本気で不安になる事は言わない
珪くんはそーゆう人なんだ