「何言ってんの?覚醒するのわかってたじゃん」 分かってたよ? でも、珪くんを失うリスクのことは知らなかった じわじわと珪くんが近付いて来る そして、制服の首もとを緩めながら私の前に来る 「ん。飲めよ」 ゴクッと喉が鳴る でも、我慢する 「や、嫌だ!」 精一杯、本能に抵抗する 目を反らして我慢する でも… 「きゃっ!」 珪くんに腕を引っ張られ抱き締められる 私の目の前には珪くんの首元 まだ、飲んでもいないのに血の匂いが伝わる 気を緩めたら飲んでしまいそうになる