誠を貫け






『あの時、お前の事突き放してしまった。俺、すげぇ後悔してるんだよ。自分の心の狭さに。』






『いいえ。謝るのは私も同じです。平助に何も相談しないで1人で勝手に決めてしまったので。』






『梓…』






『…でも、悲しかったです。自分に非があるとは言え、恋人に突き放されるというのは。』







『ごめん…』





『いいえ。私の方こそすいません。』







『梓。…もう一度、俺の恋人になってくれる?』





平助の告白に一瞬目を見開いたが、
私はクスッと笑った。






『もう一度も何も、私はずっと平助の恋人ですよ?』






『梓っ!』







平助は嬉しそうな顔でスリスリと私の頬にすり寄ってきた。