Golden Apple

息を吸うと共に、そいつの眼鏡を取る。

掛けずにそのレンズを覗き込む。結構度が強い。

眼鏡をしていない顔を初めて見た。段々と近付くそれを気にせずに、ポイッと眼鏡を床に落とす。


「あ、」

パリンと可愛げな音を立てたのと同時。

因みに眼鏡を落としたのはあたしだけれど、踏んだのはあたしじゃない。


「すみません、こんな所に転がしてあったものですから」

「え、待て。ミカミくん痛いんだけど、つか眼鏡!!」


しっかり襟首を掴んでいたミカミ。
そして眼鏡を踏みつけているミカミ。