Golden Apple

「悪い子供じゃない」

「うん」


まだ何か言いたげな顔。首を傾げると、ミカミは苦笑といった感じに笑う。


「クラギ」

「なに?」

「ただいまは?」


幼い子に、言い聞かせるかのように。

思わず口を噤んだ。

でもなんとなく言わないと玄関を通してくれない気もするので、素直に従っておいた。


「…ただいま」


満足そうな顔が見れる。
それからあたしも小学生と同じように道を開けてもらえた。

リビングに行くと既に半分くらい散らかっていて、その中に小学生と男三人は仲良く座っていた。