どんな顔をしているだろうか。 あたしがこの話をしたのは、二回目。一度目はミヤシタだったけれど、自分のことのように暗くなっていた。 ミカミは穏やかな顔をしている。 笑みを浮かべてはいないものの、暗いわけじゃない。 「小学生の時、あちら側で大きい放火があったのを覚えてる」 「そう、それ」 「君はどう思った?」 膝を抱く。また肩から落ちた上着を次は自分で戻す。 「珍しいことじゃないんだなって。虐待、殺人、放火とかに限ったことじゃなくて。浮気、離婚、事故だの、全部世の中のどこかで起きてる」