不意に先程のミカミの力の無さを思い出す。
女子かってくらいの。

思えば繋いだ手の指もあたしより長いのに、結構細い。

そこまで考えてイラつきが蘇ってくる。

いつも言葉巧みに仕掛けて、あたしが言い返せないのを馬鹿にしてる。

そうやって自分の思い通りにしていくのが楽しいんだ。

…そうやって考えると気持ち悪いな。


「冷えるよ」


バサッと肩にかかった上着。

考えていたからなのか、それとも本当に音が無いのか。
驚きすぎて心臓が痛いと思った。

自販機の光に照らされる綺麗な顔。