それでも、立ち上がったあたしの腕をしっかり掴むミカミ。

こいつは、あたしとは真反対の処にいるんだ。

だから羨ましくて、憎たらしい。


「触んな」


その身を退けると、簡単にソファーへ倒れる。

女のようなその力の無さに、一瞬驚いて、それから玄関へ向かった。

ブーツを履いて外へ出る。部屋着のままだと寒い。だからといって戻る気には更々ならなかった。

むかつく。
あー、むかつく。

後ろ首に触れる。落ち着け自分。

空を見上げる。

星空を初めて見た気がする。
こんなに星ってあるんだ。