点滴を打たれているミカミは、本当に病弱な青年。 「つまらないなら、帰って良いんですよ」 「つまらないとか思ってないし。それより、いつ拉致られたの?」 「朝ですよ。あの倉庫に閉じ込められた次の日くらいに彼が入ってきたんです」 「ミヤシタに?」 はい、と返事が聞こえる。あたしは壁に寄りかからせていた背中を離して、長く息を吐く。