呆れた笑い方がミカミと重なった。こんな時に重ねんなよ、馬鹿野郎。 「暴れられればそれで良い。死んだらそれまで」 「強いよ、お前は」 守りたいものが守れない絶望に比べれば。 濡れた髪が頬にはりついてうざい。睫に溜まる水が、否応なく眼に入り込んでくる。 雨が酷い。このままだと河の水が増水して二人とも溺れるかもしれない。 ゆらりと視界のミヤシタが動く。 気が合うもんで、あたしも同じタイミングで動いていた。もつれる足が水と相手の脚にとられる。ばしゃん、とあたしが上になってすっころんだ。