雨音すら煩い。神経が過敏になっている。 「じゃあ手加減なし、な」 そう言ってミヤシタは飛び込んできた。 あたしも同じタイミングで拳を振り上げる。 威力が違う。ミヤシタも飛んだけれど、あたしは吹っ飛んだ。でも半分川に身体を浸した状態で呆けてたらタダの馬鹿だ。 すぐに立ち上がる。足元を鉄パイプが通った。 それを避けて、離れた。 どこから出てきたんだ、と思うのと同時に、あたしも、ナイフの入っていた反対のロングブーツの中から、モノを取り出して素早く振った。良い音を鳴らせたのは、警棒。