どうして。と口から出掛かるのを飲み込んだ。

でも、どうして。

あたしにルールの在り方を教えてくれたのは、コウヅカなのに。

ミヤシタが独断でこんなことをするはずがない。コウヅカの命令の元にやったことなんだろう。

パーカーを脱ごうとしているタクトと、煙草を咥えるコウヅカ。その他愉快な仲間達が、集まってパーティーを開こうとしている所だった。

あたしの姿を見て、タチバナが口を開きかけて、コウヅカが先に声を発した。


「クラギ、どうしたの?」


それはこっちの台詞だ。

どうしてコウヅカはそんな涼しい顔で口を利けるのか。