巻き込んでごめん、と言おうとしてやめた。 ミカミの手が身体を這っているのに気付いたから。 「…は?」 「命の危機を感じると子孫を残そうとする欲が出るらしいです」 「お前案外元気だろ」 バシンと頬を叩いて、溜め息を吐いて、救急車に電話した。 ミカミはここに置いていくとして。小学生の手を引っ張った。 「交番に行こう。これ以上、関わらない方が良い」 「交番行って、どうするの?」 「変な人に捕まってたって言って。お母さんとお父さんに迎えに来て貰いなさい」 小学生が口を噤む。