Golden Apple


返事がない。死んでるかもな、と酷い結論を出してから、左のブーツに入っていた物を取り出す。

護身用にと、昔貰ったサバイバルナイフ。

刃が欠けるとかなんとか、関係ない。
迷わず戸と戸の間に突き立てた。

馬鹿力なら自信がある。

ミシミシと音を立てるそれに力をいれて、無理矢理こじ開けた。

ひとつの扉はこちら側に倒れる。そこから中を見ると、真っ暗だったけれど人がいるのが分かった。


「ねえ、コウヅカがどこで喧嘩売ってるか知ってる?」


見張りの男が呆然として立っているので聞いた。あたしはもう一つの扉も外して、中に入っていく。