二人で、何かを埋めるみたいに抱きしめ合って。足らない何かを求めるみたいに探りあった。 「虚しい」 シャワーの音だけが聞こえる部屋に、小さく響いた。 ゾクリと悪寒が走った。体育の時間だった。 「クラギちゃん?」 キッシーは首を傾げて、あたしに向けようとしたバレーボールを手の中で止めた。 何だろう、今の。