「あと、巻き髪の姉ちゃんに会ったらあたしが探してたって伝えといてくれる?」 うん、と頷く小学生。立ち上がって、一緒に向こう側の出口まで歩く。 伝言掲示板みたいにして申し訳ないけれど、ここは小学生に託すしかない。トーガの背とは違うけれども。 「じゃあね、卯月」 「ばいばい」 「気を付けて帰りな」 いつもの挨拶。手を振って、姿が見えなくなるまでそこに居た。 トーガとフクちゃんの姿はもうない。人混みに消えてなくなってしまったんだろう。 ソファーに身を沈めて眠るミカミを見たのは初めてだった。