一番小さいトーガは小学生に夢を託したらしい。 「タクトのとこ行くの?」 「いや、帰ってきたところ」 「辞めるって言ってる?」 「うん。ね、フクちゃん」 フクちゃんも頷く。こればっかりは仕方ないって顔をしながら。 どんなにミカミが納得出来なくても、タクトがそう言っているのなら仕方ないって諦める方が賢明なんだろうけど。 街が掛かってるっていうのもある。 あたしは小学生を見て肩を竦めてみる。 「今度ミヤシタが話しかけてきたら教えて」 「うん」