もしかしたら、コウヅカがあたしをミカミに渡さないという選択をしたら、会うこともなかった。 綺麗事は好まない。 だから、きっと、会わなかったらあたしはミカミに興味すら示さなかっただろう。 このクソ優等生、とか悪態をついていただけかも…それは今もだけれど。 「じゃあこうなったことに感謝ですね」 「誰に?」 「コウヅカに」 それを聞いて、驚く。ぼんやりかかっていた眠気が飛んだ。 何かとコウヅカの話題につっかかっていたミカミが感謝するなんて。 人は変わるものらしい。