Golden Apple


上手く話の意図が読み取れない。


「それで、どうするんですか。こちら側を見捨てると?」

「んなこと言ってねえだろ。早合点は良くねえよ」

「じゃあきちんと、全員が納得出来るように説明しろ」


あのミカミが低い声で言った。
怒鳴りはしないものの、その寸前。


「凄むな、怖い」


パチンと軽めに頬を打ってやる。倉庫の時のお返しだ。

ふと我に返ったようにこちらを見た。
そんなに驚かなくても。


「それよりあたしには全く何の話してるんだか分かんないんだけど。タクトが辞めるならまた次に引き継げば良いんじゃない?」