Golden Apple


近くの煙草ケースから一本取り出し、火を点ける。四人してタクトの一連の動作を見ていた。


「で、用件なんだけど」

「はい」


こいつヘビースモーカーだ。換気扇なんてものは見当たらない。

タクトが重要な事を言いたいらしいけれど、あたしだけは視線をふらつかせていた。


「俺、頭辞める」


ぽかんとしていた表情が一番間抜けだったのはタチバナだった。というのも、丁度視界の中に居たからで。

あたしはすぐにタクトへ視線を戻した。

ミカミもトーガも何も言わない。

辞めるってことは、何だろう。
次の奴が上がるってこと?