「お前な、ただでさえ目立ってんのに」 「仕方ねーよ、タチバナ。俺がカッコ良いのが原因だから」 「そうじゃないだろ」 ぺり、とガムシロが飛び出た。 ふと我に返る。 「クラギちゃん動揺しすぎ。手ベタベタじゃん、ガムシロ入れんの?」 「…入れない」 「良かったね」 紙ナプキンで手を拭うけれどベタベタは取れない。 お母さんのような表情で、トーガは言った。 「何時くっつくのかハラハラしてたんだよ、ねーおとーさん」 「お前等あたしの親じゃないし、それに、」 「……あ」