ガラス張りの向こうは天気が良い。この前の雪が嘘みたいだ。 「あれ食べてると舌が可笑しくなる」 「舌が肥えてる発言、ゾッとするんだけど」 「トウガだって彼女が出来たら何かと食べさせて貰ってるだろう」 タチバナの仰る通りで。 「俺は当分彼女はいらねーかな。そういや、クラギちゃん」 「だから何」 言いたいことはまだ終わってないらしい。 あたしは視線をあげる。 「なんか綺麗になった…あ、もしかしてミカミと寝た?」 「なっ、」 「マジで?」 無意識に近くにあったガムシロを掴む。