何と返事をすれば良いのか分からなくて、瞬きを繰り返す。 「それから、キミの全部をください」 「…出たよ気障台詞」 「何とでも言って良いですよ」 「クラギの分以外なら、全部あげる」 あたしの分で良いならいくらでも。 少し上を向けば、すかさずキスをされる。このテクに女は落ちていたのか…と考えると何とも言えない気分になった。 それでもあたしだって例外ではなく、ミカミに落ちた馬鹿な女の一人だということを今でなくとも実感することになる、はずだ。